Milindaの書斎

読んだこと、考えたことなどを書き留めます。外国語はたまに。

Composition 109 プロ倫


足の調子がだいぶ戻ってきたので、約一週間ぶりに立ち机で作業します(普通の机を持ってないんです。足が痛い間は、寝転がってスマホで書くしかありませんでした)。
よし、これでプロ倫に戻れる! サンキューマックス!(プロ倫の著者であるマックス・ウェーバーに掛けているつもり)

引用文は見やすいように1センテンスで改行しています。行頭が字下げされている箇所は段落の切れ目です。

 Rational industrial organization, attuned to a regular market, and neither to political nor irrationally speculative opportunities for profit, is not, however, the only peculiarity of Western capitalism.
The modern rational organization of the capitalistic enterprise would not have been possible without two other important factors in its development: the separation of business from the household, which completely dominates modern economic life, and closely connected with it, rational book-keeping.
A spatial separation of places of work from those of residence exists elsewhere, as in the Oriental bazaar and in the ergasteria of other cultures.
The development of capitalistic associations with their own accounts is also found in the Far East, the Near East, and in antiquity.
But compared to the modern independence of business enterprises, those are only small beginnings.
The reason for this was particularly that the indispensable requisites for this independence, our rational business book-keeping and our legal separation of corporate from personal property, were entirely lacking, or had only begun to develop (NOTE 6).
The tendency everywhere else was for acquisitive enterprises to arise as parts of a royal or manorial household (of the oikos), which is, as Rodbertus has perceived, with all its superficial similarity, a fundamentally different, even opposite, development.


(拙訳)
 合理的な産業組織――通常の市場に最適化されており、政治的で非合理的な投機の機会には最適化されていない――は、しかし西洋だけに見られるわけではない。
 企業の近代的で合理的な組織は、2つの重要な要素を欠いては発展し得ない。1つは事業を家計から分離することであり、今日の経済生活では完全に支配的となっている。もう1つはそれと密接に関連する、合理的な簿記の方法である。
 仕事の場を住居から空間的に分離する工夫はどこにでもあった。オリエントのバザールや、銀鉱山のように。
 また、独自の会計制度を持つ資本主義的な集団の発展は、極東にも、中東にも、ギリシャ・ローマにも見られる。
 しかし近代企業の独立性に比べると、それらは小さな始まりに過ぎなかった。
 というのも、この独立性のために必須の要素——つまり合理的な複式簿記と、私有財産と企業との法的な分離——が、全面的に欠けているか、ようやく発展を始めただけだからである(英訳注6)。
※英訳注6は長かったので次回に回します。
 近代西洋以外の場所では、どこであっても、王室や領主の私有財産の一部として企業が生じる傾向にある。ロードベルトゥスが気づいたように、それらには(近代の企業との?)表面的な類似と、本質的な違い、正反対ですらあるほどの違いがあった。


【雑感】
「プロ倫論法」とでも言うべきものが、だんだん分かってきました(笑)。「○○は世界中にあったが、しかし△△は西洋にしかない」の繰り返しで論を進めていくようです。
いわゆる「Yes, but」の型をひたすら積み重ねていく感じですね。ウェーバーの真面目さ、粘り強さが偲ばれます。

まあ、それはともかく。
今回も重要と思われる論点が出てきました。箇条書きにしておきます。

  • 近代の企業には「独立性」がある。
  • その独立性を保つために以下の2点が必須。
  1. 会社の財産と私有財産を分けること
  2. 合理的な簿記の方法


ちなみに、今回は英文の一部をスマホの音声入力で書いています。ゆっくり喋れば意外とスマホには通じますね。人間(英語話者)に通じるかは分かりませんが。よく英語の音読をカッコつけて早口でやる人がいますが、発音の癖を直したいならゆっくり読むべきなのではないかと思いました。