Milindaの書斎

読んだこと、考えたことなどを書き留めます。外国語はたまに。

Composition 107 プロ倫

前回の続きからです。スローペースで読んでおりますが、よければおつき合いください。

 The capitalism of promotors, large-scale speculators, concession hunters, and much modern financial capitalism even in peace time, but, above all, the capitalism especially concerned with exploiting wars, bears this stamp even in modern Western countries, and some, but only some, parts of large-scale international trade are closely related to it, to-day as always.
 But in modern times the Occident has developed, in addition to this, a very different of capitalism which has appeared nowhere else; the rational capitalistic organization of (formally) free labour.
Only suggestions of it are found elsewhere.
Even the organization of unfree labour reached a considerable degree of rationality only on plantations and to a very limited extent in the Ergasteria of antiquity.
In the manors, manorial workshops, and domestic industries on estates with serf labour it was probably somewhat less developed.
Even real domestic industries with free labour have definitely been proved to have existed in only a few isolated cases outside the Occident.
The frequent use of day labourers led in a very few cases―especially State monopolies, which are, however, very different from modern industrial organization―to manufacturing organizations, but never to a rational organization of apprenticeship in the handicrafts like that of our Middle Ages.

(拙訳)
 興行主や、大規模な投機家や、利権屋による資本主義――あるいは非常に近代的な金融資本主義(平時にも存在するのが特徴だ)――それに何よりも植民地開拓競争による資本主義――こうしたものの影響は残っており、近代以後の西洋諸国にすら、力による利潤獲得への志向が刻印されている。そして大規模な国際取引の一部(あくまで一部にすぎないが)は、今日でもこの種の資本主義と密接に結びついている。
 しかし西洋は近代に至って、世界のどこにもなかったタイプの資本主義を発展させたのだ。それは自由労働(少なくとも形式的には自由な労働)により合理的に組織化された資本主義である。
 この新しい資本主義の萌芽はどこにでも見られる。だが萌芽にすぎない。
 強制労働の組織化ですら、プランテーションや一部の鉱山*1において、かなりの合理化を達成していた。
 ただ、荘園制においては、どういうわけか合理化があまり進んでいない。
 西洋以外の地には、自由労働による産業すらなかった。あったとしても、わずかな例外だけだ。このことはきちんと立証されている。
 その例外の中では、日雇い労働者の雇用が最も多い*2。特に国家が独占する事業で日雇い労働者を使うケースが多い。しかし、これは近代的な産業組織とはまったく異なるものである。やがて組織的な手工業へと発展していくのだが、中世の西洋における徒弟制のような合理的な組織になることはついになかった。


【雑感】
今回も細かい部分が「?」ですね。徒弟制度とはそんなに合理的なものなんでしょうか? ヨーロッパの徒弟制度は他の地域と違うのでしょうか?

それはともかく、「自由労働」というキーワードは注目に値すると思います。続きを読み進めるにあたって、かなり重要な概念となるのでしょう。

*1:Ergasteria というのは古代の小アジアにあった都市の名前で、銀の産地として有名だったらしい。

*2:led in を「最も多い」と訳したが、自信がない。後ろに to manufacturing organizations とあることを考えると「最も古い」なのかもしれない。