Milindaの書斎

読んだこと、考えたことなどを書き留めます。外国語はたまに。

Composition 92 スペイン流サッカーライセンス講座


ランデル・エルナンデス・シマル著 倉本和昌訳
『スペイン流サッカーライセンス講座』p85

 サッカーには知覚―判断―実行のプロセスがあるのというのは何度も述べさせてもらいました。実はサッカーの試合で起こるミスも三つの種類があります。それが知覚のミス(見えているか、いないか)、判断のミス(見えているが、選択を誤った。または最善の選択肢ではなかった)と実行のミス(キックミスやコントロールミスなど技術的なミス)です。
 知覚も判断も現象としては現れず、目に見えません。つまり、それは選手の頭の中で起こっていることです。さらにサッカーの試合で起こっているミスの7割*1は知覚と判断のミスであり、実行のミスではないのです。よって選手の頭の中を鍛えることが非常に重要になってきます。

As I repeatedly mentioned above, there is a series of three processes in football; perception, judgment, and practice. According to that, we can categorize many mistakes made in football games. The first one is an error of perception. In this case, a player cannot see what happens around him. Second, a fault of judgment. A player can recognize a situation in the field but cannot interpret correctly. And then, the final one is a mistake of practice. Technical deficiency causes this type of failure, such as miskick or poor control.
Neither perception nor judgment doesn't appear as a visible phenomenon. It develops in a player's brain. Besides, the problem of perception or judgment makes over 70 % of mistakes in football games. Therefore, it is crucially important that a coach trains up the thinking ability of players.


同書p94より。
※これは著者シマルの意見ではなく、ルイス・フラドゥアという指導者の発言。

 サッカーは日々進化し続けています。ドリル形式の反復練習は今では複合的練習の中に組み込まれ、グローバルな中で*2技術要素を練習する方法が取られています。以前はドリル形式で達成していた目的も、複合的練習で同じ目的を達成することも*3できるようになっているからです。
 ドリル形式の利点は、短期間でより多くの頻度を行い*4、目的を達成できること。しかし、そのときには、プレー解釈や判断の要素はまったく刺激されないことになります。ドリル形式の練習では、選手がどのようなミスを起しやすいか、苦手かを見分けるのに役立ちます。(中略)
 例えば相手をかわすドリブルができない場合、その問題の原因がコーディネーション*5にあったとします。そのようなとき、コーディネーションを改善するために純粋にドリル形式の練習で反復させます。しかし、その選手がドリブルをいつも相手ディフェンスのカバーが入っているのに行ってしまうという問題だった場合、その原因は知覚なので、そのときにはドリル形式の練習は必要ないわけです。

Football advances without stopping. Coaches used to drill players in technique, but nowadays, complex global training has replaced repetitive exercises. That new training enables players to learn various skills that were acquired through drills in the past.
Of course, the drilling discipline also has merit. It consists of standardized processes, so players can repeat training more frequently in the short term and solve technical problems. On the other hand, it never stimulates the players' thinking ability for judgment and interpretation. We should use it to grasp a weak point of each player. [omit]
For example, suppose that a player cannot dribble the ball past the opposition. If this problem results from his clumsy coordination, you may suggest the player doing the normalized drill.
However, that is not always the correct choice. In some cases, the cause that his dribble fails is not the coordination but the perception. For example, suppose that he cannot sense the other opponent covers behind the frontal one. When you advise such a player, you have to improve his cognitive faculty, and there is no need for drilling lessons.

※英文全体のリーダビリティ・スコアは60。アプリ曰く、最低でも15歳くらいの教養がないと読めない、頑張ってもっと読みやすくしろ、とのこと。


【雑感】
スペイン語から日本語に訳された文章をわざわざ英語にしています。この行為に「生産性」はないのかもしれません。でも私の中に知識と経験が残ります。

私は少年たちにサッカーではなく勉強を教えているわけですが、それにも通じることが書いてあると思いました。

  • ミスにも種類がある。どんなミスなのかを知るために、選手(生徒)の頭の中を想像しなければならない。
  • ドリル形式の練習をやるなら、苦手を克服したいとき。何を克服したいか意識すること。

この辺は重要ですね。

*1:原文ママ。前の段落で「三つ」と書いた時は漢数字を使っている。

*2:このグローバルというのは「包括的な」くらいの意味だろう。

*3:原文ママ。上に「も」があるので、ここは「達成することが」でよいのではないか。

*4:原文ママ。意味は通じるが、「頻度を行う」という表現は気になる。「短期間でより多く反復し」くらいでいいのでは。

*5:身体の各部分が連動しているか、あるいは視覚と身体操作が連動しているか、ということだろう。