Milindaの書斎

読んだこと、考えたことなどを書き留めます。外国語はたまに。

Composition 73 定理を一般化するということ


気分転換として、放送大学のテキストを訳してみましょう。
隈部正博『初歩からの数学』p189

 この[余弦定理の]証明を見ると、2bc*cosA の幾何学的な解釈が得られる。(10.10) より、2bc*cosA は長方形ALMFと長方形ANPGとの和である。∠Aが直角の場合は、AFとCМは同一直線上にあるから、長方形ALMF(面積はbc*cosA)は消えてしまう。同様に、AGとBPは同一直線上にあるから、長方形ANPG(面積はbc*cosA)も消えてしまう。すなわち上式 a^2 = b^2 + c^2 - 2bc*cosA において、2bc*cosA がなくなって、三平方の定理が成り立つことになる。このように考えると余弦定理は、三平方の定理の一般化とみることができる。

Referring to the Law of cosine's proof, we can understand geometrically what '2bc*cosA' means. Because of (10.10), 2bc*cosA is the sum of rectangles ALMF and ANPG. When ∠A is a right angle, a line segment AF overlaps a line segment CM, and the rectangle ALMF's area (bc*cosA) is zero. In the same way, a line segment AG overlaps a line segment BP, and the rectangle ANPG's area (bc*cosA) is also zero. Namely, 2bc*cosA results zero, therefore the above- mentioned formula a^2 = b^2 + c^2 - 2bc*cosA corresponds a^2 = b^2 + c^2. It is the formula of the Pythagorean proposition. In conclusion, we can interpret that the Law of cosine is the generalized Pythagorean proposition.

(Readability score: 56)

【参考】
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同書p.187にある図。写りが悪くてすみません。

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同書p.112より、三平方の定理を説明する「あの図」。


【雑感】
三平方の定理なら知っているし使うこともできるけど、余弦定理と言われたら何なのか分からない……という方が多いと思います(進路選択で理系を選んだ人には想像できないかもしれませんが、文系を選んだ人はだいたいそうなのです)。

でも、三平方の定理を一般化したものが余弦定理だったのですね。三平方の定理の説明に使う「あの図」を、直角三角形以外のケースにまで拡張できないか。直角三角形であるケースとそれ以外のケースを同一の式で表せないか余弦定理はそのような要求を満たす定理です。

引用箇所を読んだ時、私はかなり感動しました。高校生の時に習ったけど忘れていただけかもしれない。数学の得意な人が言う「一般化してx = n にしたらどうなる?」というアレが、少し理解できた気がします。