Milindaの書斎

読んだこと、考えたことなどを書き留めます。外国語はたまに。

Composition 52 ロクメンダイス、

「思わず、心が騒いでしまいそう……」
 チェリーにとってこの光景は、楽しいのだろうか、それとも煩わしいのだろうか。
 抑制された表情からは、読み取ることができない。
 ぼくは心辺警護を探してみた。見つけることはできない。だけどぼくはわかった。
 今ぼくは、チェリーとの一日に対して希望を抱いている。
 なぜか。窓から入る新しい光の新鮮ささえが心地よく、いつもと変わらない六時間授業の日常に前向きになれた。退屈なチャイムとチャイムの間にすら、何かが待っている気がする。
 それは飽きたオレンジジュースに炭酸を注ぎこんだような、爽やかな期待感だった。
 どこから来たのか存じませんが。まぁまぁ遠いところへ。何もない荒んだぼくの心ですが、ようこそおいでくださりました。さぁさ、期待感さん、こちらへどうぞ*1*2
 期待感。とても心地よい――ぼくはチェリーと、どんな日々を過ごすことになるのだろう。
 チェリーに感化してしまった心辺警護のぼくがそう思うということは、今、チェリーは完全に感情を制御できているということだ。今はぜんぜん、心配じゃない。
 ぼくは少しだけ感心し、大きく落胆した。

中村九郎『ロクメンダイス、』p87-88

"I'm about to be disturbed, though unintentionally..."
What is this scene for Cherry? Is it pleasant or nuisance?
Her facial expression has been restrained yet. I can't judge her emotion.
I looked around and searched for the Heart Guardian. I found no one, but I realized.
Now I live in hope. Cherry gives it to me.
Anyhow, the light of the morning sun from the window made me fresh. I get forward-looking to the daily six hours of class.
It is a brand-new expectation of today as if it was soda poured in boring orange juice.
Where are you from? How far is your home? In any case, thank you for coming to me, though my heart is a vacant wasteland. Now, come on over, Mr. Expectation.
I mumble 'expectation' in my mind. It is delightful to do so. What the future is waiting for me in the days here, with Cherry?
At present, we have no worry about Cherry's mental condition. If it is unbalanced, the Heart Guardians ― such as I ― must appear. However, there aren't any Guardians now. It is proof that she is in calm status.
I feel relieved just a little. On the other hand, I'm disappointed so much.

(Readability score: 83)

【雑感】
「それは飽きたオレンジジュースに炭酸を注ぎこんだような、爽やかな期待感だった」。このフレーズはとても有名なので、Milinda大学の入試に出ます

引用文の最後で、主人公の「ぼく」はなぜ落胆したのでしょうか。理由は色々と考えられます。素直に解釈すれば

  • 自分が彼女(チェリー)の感情をまだ動かせていないから
  • しかし彼女の感情を動かしたら悲劇的な結末になると分かっているから

の2点なのでしょうが、他にもあるかもしれません。

*1:原文では「こちへどうぞ」となっているが勝手に修正した。

*2:この段落ではもう少し英語の丁寧表現を使って訳したかったが、いまの私の力では無理だった。