Milindaの書斎

読んだこと、考えたことなどを書き留めます。外国語はたまに。

Composition 51 新しい文章力の教室


翻訳でブログを毎日更新しても時間が余る、と書いたのですが、やっぱりカツカツかもしれませんね(笑) 時間管理は難しいですね。

 森の地面が落ち葉、腐葉土、黒土と層になっているように、文章も概念のレイヤーが積み重なってできている、ということです。

 いまあなたが目で追っているこの文字列、目に見えている言葉そのものが、いちばん表層のレイヤー。ここでは「言葉づかい」と呼ぶことにしましょう。
 言葉づかいの下には、どんな文章でも表層の論理が仕込まれています。言いたいこと伝えたいこと、こうだからゆえにこうなのだ、という「ロジック」(論理)のレイヤーです。
 さらにその下には、この世界の事柄ひとつひとつ、ここでは「事実」と呼ぶレイヤーが横たわっています。出来事や日にち、人の名前、ものの名前、行為、場所などなど。この層から取ってきた事実を組み合わせて、ロジックは形作られています。

 「事実」「ロジック」「言葉づかい」の3つのレイヤーは、取り返しのつかない順序で積み重なっています。どれだけ美文を連ねても、事実に誤認があったら実用文としては0点です。またロジックがおかしな文章は、言葉づかいでは挽回できません。

唐木元『新しい文章力の教室』p18-19

※太字部分は原文でもそうなっている。

Prose consists of three conceptual layers as the ground of a forest is made of three ones ― fallen leaves, leaf mold, and black soil.

First, 'Phrasing' is the most superficial layer. It is what you can see as concrete words. This character string, which you are following your eyes is just the layer.
Second, every prose has the layer of 'Logic' under Phrasing. Logic stipulates what you want to tell and its reason.
Third, 'Fact' is the bottommost layer. It contains each matter in this world ― an event, a date, person's name, goods' name, an action, a place, and so on. We select the matters from this layer and form Logic.

The more under the layer is, the more essential it is. However skillfully you can manipulate flowery words, a mistake of Fact returns the evaluation as practical prose to nothing. If your composition has a failure of Logic, you can never recover it by the elaboration of Phrasing.

(Readability score: 69)

【雑感】
『新しい文章力の教室』は、ブロガーやWebライターの界隈では有名な本です。わざわざこのブログを見てくださっているような人の中には、読まれた方も多いのではないでしょうか。
私も何度も読んで内容をよく理解しているつもりでいましたが、あらためて読み直すとまだまだ発見があります。翻訳のために原文を写してみて初めて気がついたこともあります。さらっと読める文章でも、いや、さらっと読める文章こそ、細部には工夫があったりするものです。日々勉強、日々精進ですね。