Milindaの書斎

読んだこと、考えたことなどを書き留めます。外国語はたまに。

辞めたっていいと思うよ  


一応、私の仕事は若者や子どもたちに勉強を教えることだ。しかし燃えるような情熱も、理想も、使命感も特にない。自分にできることを労働としてお金に変えようとしたら、たまたまこういう選択があった、というだけだ。むしろ「学校に通うことってそんなに重要なんだろうか」とすら思っている。

その人に何か一つでも秀でた部分があるなら、それを武器にしてさっさと社会に出ればいいのではないだろうか。本当に通用する武器であれば、あっという間に評判が拡散していくし、あっという間に飯が食えるようになるはずだ。そういう仕組みがある時代なのだから。

もちろん、一生その武器で戦えるという保証はない。武器が劣化するまでのサイクルは昔よりも早くなっているだろう。だが、そうなったら持ち替えればいいのだ。錆びた武器は捨てて、新しいことを学べばいいのである。学ぶチャンスはまさにその時なのだから、年齢は関係ない。チャンスでない時に無理して学校で知識を叩きこむ必要はないのではないか。

だから、受験を控えた生徒に対して私はこう言う。「きみが第一志望に受かったとする。でも、理想と現実は違うかもしれない。予想通りじゃないこともたくさんあるだろうし、辞めたいな、と感じるかもしれない。そういう時、どうしても通い続けるのが苦痛なんだったら、辞めたっていいと思うよ。当然、親御さんと相談する必要はあるけど。自分の経験から言うと『せっかく入ったんだからもったいない』という発想は何も生まない」

何という無責任な講師だ、と思われるだろうか。もちろん私もこれが唯一の正しい意見だなどとは思っていない。一人ひとりの講師が、自分の言葉で、自分の考えを語ればよい。それらのすべてが教え子のためになるだろう。ただ私には大した話術がないので、自分が思ってもいないことを語って他人を動かすことはできない。率直に思うままのことを言うしかないのである。