Milindaの書斎

読んだこと、考えたことなどを書き留めます。外国語はたまに。

読書

読みました 26

中島岳志『血盟団事件』を読みました。血盟団事件 (文春文庫)作者:中島岳志発売日: 2016/06/03メディア: Kindle版 血盟団事件とは、政財界の要人が標的となった1932年の連続テロ事件です。井上日召という宗教家が指示を出し、彼を慕う若者たちが実行犯となり…

自分用メモ 52

聴耳草子と「きりなし話」 捜神記 聴耳草子と「きりなし話」 『聴耳草子』は佐々木喜善が岩手県の昔話を集めた本だが、その末尾には「きりなし話」と呼ばれる類型の話が載っている。「きりなし話」とはだいたいこんな感じの話である。【例】 栃の実がひとつ…

読みました 25

大西雅雄『朗読学』を読みました。初版は1940年だそうですが、2015年に国書刊行会が復刻版を出しています。私が読んだのはこの復刻版です。朗読学作者:大西雅雄発売日: 2015/04/27メディア: 単行本 元は80年以上前の本ですから、素人の私が見ても「これは古…

読みました 24

猪瀬直樹『新版 昭和16年夏の敗戦』を読みました。 総力戦研究所って何? 総力戦研究所は「追放された系主人公」なのか? 昭和16年夏の敗戦-新版 (中公文庫 (い108-6))作者:猪瀬 直樹発売日: 2020/06/24メディア: 文庫 総力戦研究所って何? この本では、太…

読みました 23

藤森照信『フジモリ式建築入門』と鈴森康一『ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか』を読みました。今回は、馴染みのない分野の本を雑に読んだら何が得られるかという実験です。何も得られていないかもしれません(ぉぃ)。 【フジモリ式建築入門】 建築と…

読みました 22

子安邦宣『「近代の超克」とは何か』を読みました。「近代の超克」とは何か作者:子安 宣邦発売日: 2008/05/22メディア: 単行本 私にとっては難しい本でしたが、どうにか備忘録程度に書き留めておきます。 「近代の超克」は、雑誌『文学界』で1942年になされ…

読みました 21

加藤陽子『戦争まで』を読みました。本書の基になっているのは、東京大学教授の加藤先生が高校生に行った講義です。満州事変から太平洋戦争に至るまでの約10年間の外交史を、実際に高校生たちと史料を読み解きつつ、語っておられます。 講義録だけあって語り…

読みました 20

上原善広『石の虚塔』を読みました。世を騒がせた旧石器捏造事件についての本です。 この本の特徴は、事件を「点」ではなく「線」で捉えようとしていることだと思います。 つまり捏造事件や藤村新一だけに注目するのではなく、前史も含めて振り返ろうとして…

読みました 19

ハインリヒ・フォン・クライスト『チリの地震 クライスト短編集』を読みました。 表題作「チリの地震」の内容は、例えば次のようにまとめることができます。 大災害による人心の混乱と、正義マンの暴走を描いた作品である。自然災害の多い日本の読者にとって…

読みました 18

大藪春彦『野獣死すべし』を読みました。伊達邦彦全集①の表題作のみです。 個人的にはあまり共感できなかったですね。ハードボイルドという言葉への自分のイメージが偏っていたのだろうか……。別に主人公は清く正しくなければいけない、なんていいません。む…

読みました 17

柄刀一『3000年の密室』を読みました。ジャンルは推理小説です。柄刀先生の作品のうち、『アリア系銀河鉄道』は過去に読んだことがあります。知識や考証がしっかりした作家だという印象を受けました。『3000年の密室』は柄刀先生のデビュー作になります。縄…

読みました 16

ダブルクロスのリプレイを再読しました。『ジェネシス』シリーズです。ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・ジェネシス1 放課後のアルテミス (富士見ドラゴンブック)作者:伊藤 和幸,F.E.A.R.発売日: 2016/12/19メディア: Kindle版 余白に書いて…

読みました 15

川口和久『投球論』を読みました。過去の記事にも書きましたが、星野伸之の『真っ向勝負のスローカーブ』と並んで何度も読み返している本です。たぶん回数は『投球論』のほうが多いでしょう。なぜこんなにハマったのかは分かりません。10代のころに出会った…

読みました 14

石長真華『フィリピン敗走記』を読みました。 内容はタイトルから察していただけると思います。ちなみにもとは『人肉と日本兵』というタイトルだったそうです。改題前のほうが、よりストレートに中身を表しています。私がぐたぐだ書いても当事者の言葉がもつ…

読みました 13

小西甚一『日本文学史』を読みました。コンパクトにまとまっていて評価の高い文学史だとされています。 読むのは二度目なのですが、内容はほとんど覚えていませんでした。「分かった気」になっただけで本当は理解できていなかったということでしょう。だから…

読みました 12

星野伸之『真っ向勝負』のスローカーブを読みました。ここ数年の自分はサッカー観戦に傾いているのですが、昔は野球が好きで野球関連の本もよく読んでいました。いまでも、シーズン開幕の時期や日本シリーズの時期になると野球の本を読み返したくなります。…

読みました 11

めちゃくちゃ今さらですが、鎌池和馬『とある魔術の禁書目録』3巻を読みました。 読みかけにしていたところから読んだので、前半はところどころ忘れています(ぉぃ)。とりあえず思ったことを箇条書き。 最初の2巻に比べて文章力は上がって読みやすくなって…

読みました 10

カミツキレイニー『こうして彼は屋上を燃やすことにした』を読みました。 ※以下は感想ですが、ほんのちょっとだけネタバレがあります。 文章はよくいえば若者言葉を写し取れている。悪くいえばあまり書き言葉に慣れていないような印象を受ける。自分の基準で…

読みました 9

馬野周二『衰亡の法則』を読みました。 一言で説明するなら「工学の発想を歴史学に応用して、歴史に内在する論理を明らかにしようとした本」でしょうか。書かれたのは1980年代です。人類の文明を4つの時期に分けること、そこに空間的な要素*1を絡めて考える…

読みました 8 歴史の終わり

フランシス・フクヤマ『歴史の終わり』を読みました。知的生き方文庫の下巻です。ちょっと、議論が拡散したまま終わっているという印象ですね。締めの一文が われわれは最後の最後までその(引用者注:歴史の)成り行きを知ることはできないのである。 とな…

読みました 7

記事名を「蔵書整理」から「読みました」に変えることにします。 赤月カケヤ『キミとは致命的なズレがある』を読みました。 自分の中では「最近買ったラノベ 」だったんですが、2011年刊行だから10年前ですね笑キミとは致命的なズレがある (ガガガ文庫)作者:…

蔵書整理 6 歴史の終わり

フランシス・フクヤマ『歴史の終わり』を読みました。知的生き方文庫の中巻です。続きも読もうと思っています。この本をどう評価するかは、結局、人間がもつ「気概」というものをどう評価するかにかかっているのだと思います。フクヤマによると、ホッブズや…

蔵書整理 5 歴史の終わり

フランシス・フクヤマ『歴史の終わり』を読みました。ただし知的生き方文庫の上巻のみです。続きも読もうと思っています。「歴史の終わり」といっても終末論ではなく、すべての政治体制は民主主義に行き着くのではないか、みたいな話です。有名な本なので、…

蔵書整理 4 夢の島

大沢在昌『夢の島』を読みました。600ページほどの大作ですが、簡潔な文章で書かれているので量の割には早く読み終えることができました。これまでに読んだ本の中では、おそらく『天帝のはしたなき果実』に次いで二番目に分厚い小説です。 私はプロットで魅…

蔵書整理 3

平野啓一郎『滴り落ちる時計たちの波紋』の収録作を「初七日」まで読みました。硬めの文章なのでそんなにサクサクとは読めなかったです。ただ、正確な書き方として参考にはなります。平野先生はデビューしたときに「三島由紀夫の再来」といわれましたが、系…

蔵書整理 2

蔵書整理をしていると凄く虚しい気持ちになってきます。 読みきれるはずがないと分かっているのに、どうして過去の自分はこんなに本を買ったのだろう? そんな疑問にとらわれます。答えはおそらく、本を読むこと自体が好きなんじゃなくて「買う自分が好き」…

蔵書整理

蔵書を整理しよう、積読本を消化しよう、と思い立ちました。まあ、いつまで続くか分かりませんけれど。今日は阿部和重『無情の世界』を読みました。 比較的読みやすい文章で書かれているとはいえ、1冊の本を一気に読み切れたのは初めての経験です。記憶力の…

自分用メモ41 短歌・歌謡関係の本

読んだ本の内容をメモしておきます。少し専門的な本なので、私にも読み解けていない箇所があるかもしれません。この続きを読み進められる方はご了承ください。 小松英雄『古典和歌解読』 宮内仁『日本の木遣唄』 関連記事 小松英雄『古典和歌解読』 本書の最…

【読書】僕らはどこにも開かない

私が若い頃のラノベだけど、未読だったものです(初出は2005年)。中二の魂を取り戻すために(?)チョイスしてみました。自分が書く側に回るためには、そうやって魂を取り戻すのが最良の方法だと思うのです。 注)ネタバレには配慮しておりません。僕らはど…

自分用メモ33 「読む」が分からない

過去の記事で、「読む」「書く」「覚える」「解く」の4領域のうち「書く」だけは自分なりの方法が見つかっていない、という話をした。 最近の記事では、「書く」の方法がとうとう見つかったかもしれない、外国語と母国語の両方で訓練すればいいのだ、という…