Milindaの書斎

母国語と外国語を行ったり来たりしながら、自分なりに「書くこと」を追求したいと思います。

翻訳

Composition 94 またプロ倫

外国語→母国語の翻訳も意外と楽しかったので、もう少しやってみることにします。『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』英訳版を、前回の続きから訳していきます。 The Indian geometry had no rational proof; that was another product of the Gr…

Composition 93 プロ倫(英語からの重訳)

たまには英語→日本語の翻訳もやってみましょう。取り上げるのは『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』です。Weber, Max. The Protestant Ethic and the Spirit of Capitalism Translated by Talcott Parsons A product of modern European civiliz…

Composition 92 スペイン流サッカーライセンス講座

ランデル・エルナンデス・シマル著 倉本和昌訳 『スペイン流サッカーライセンス講座』p85 サッカーには知覚―判断―実行のプロセスがあるのというのは何度も述べさせてもらいました。実はサッカーの試合で起こるミスも三つの種類があります。それが知覚のミス…

Composition 90 都市的な盆踊りとしての郡上踊り

曽我孝司『郡上踊りと白鳥踊り』p60-61 「郡上踊り」に先祖供養の宗教的な色彩が見いだされないのは逆説的ではあるが、郡上一円に根付く浄土真宗の宗教的風土が影響していると思われる。 (中略)「南無阿弥陀仏」の念仏を称えることは現世に生きる者が阿弥…

Composition 89 古典和歌解読

小松英雄『古典和歌解読』 p1「本書で導かれる主な帰結」より 『古今和歌集』は叙情詩としての和歌の確立であった。それは、『万葉集』の短歌の外形を継承して、言語の線条を仮名の線条に転換し、表現を重層化することによって達成された。短歌を和歌に変容…

Composition 88 自作品(古今和歌集もあるよ)

いま書いている小説の一部を翻訳してみました。「日本語→英語→日本語」と移し変えたほうが、悪いところを見つけやすい気がするからです。過去の記事にもあったように、ジャンルはラノベ・学園・ラブコメです。 短歌はいつも通りに音節数を「3・4・3・4・4」…

Composition 87 なぜなぜ分析(アイデア大全)

「なぜなぜ分析」について解説した文章を取り上げます。 なぜなぜ分析とは、簡単に言ってしまうと1つの問題に対して「なぜ?」という問いを5回繰り返すことです。トヨタ生産方式の代表的な手法だとされています。 読書猿『アイデア大全』p106-107より ヒトは…

Composition 85 古今和歌集

相変わらず音節数が「3・4・3・4・4」になるように訳しております。この原則から外れている箇所があったら「冠詞か前置詞を弱く読むから音節に数えてないんだな」と無理やり解釈してください。 底本は角川文庫ソフィアの古今和歌集(窪田章一郎・校注)です…

Composition 84 橋本武:灘の国語教師

橋本武『〈銀の匙〉の国語授業』p50-51 同時に私は、生徒の記憶に生涯残るような、そんな教材はないかと考え始めていました。というのは、自分がやっていることが生徒諸君にどれくらい受け入れられるのかを考えた時*1に愕然としたことがあるからです。「自分…

Composition 83 中学を卒業したころの長嶋茂雄

長嶋茂雄『燃えた、打った、走った!』p80-81より。 中学校を卒業する時、親友に贈った文章だという。 桜花らんまんたる四月、私は貴君達と胸を躍らせ、希望に燃えて佐倉中学の校門をくぐりました。 それがはや後数日で別れねばなりません。今ふり返って見れ…

Composition 82 ROOM NO.1301#10

いままでは桑畑綾との会話ばかり取り上げてきましたが、今回の相手は窪塚日奈です。新井輝『ROOM NO.1301#10』p48-49 「嘘なのは日奈の方だったんだよ」 健一は溢れる感情の中で、その言葉を捕まえた。 「そんなことない!」 でも日奈は反射的にそれを否定す…

Composition 81 アルコール中毒との接し方 中井久夫の文章から

中井久夫コレクション『「思春期を考える」ことについて』p203-204 「慢性アルコール中毒症への一接近法」より (前略)本人に対しては「アルコールを飲むことが病気ではない。止められないことが病気である。何でもやりだしたら止められなくなるのは病気だ…

Composition 80 第七官界彷徨

尾崎翠『第七官界彷徨』p100-101 三五郎の部屋では、寒い空気のなかに、丁度三五郎の寝床がのべてあった。私は早速睡[ねむ]りに入ろうとしたが、二助の部屋からつづいている臭気のなごりと寒さとのために、私は*1ただ天井をながめているだけであった。 丁…

Composition 79 営業力100本ノック

今回は『営業力100本ノック』(日経文庫)を取り上げます 著者の北澤孝太郎さんはリクルートやソフトバンクで営業職を務めた後、大学で経営学を教えておられるそうです。 (前略)自社は何をする会社なのか、その理念に合わない商品やサービスも*1思い切って…

Composition 78 自己を処分する

『精神分析が面白いほどわかる本』p54-55 「アイデンティティ」という概念は、心理学者のE・エリクソンによってつくられた。人間は、早くも幼児前期(二~三歳)の段階で、アイデンティティの基礎を築き上げる。鏡に映った顔を自分の顔であると認識すること…

Composition 77 ROOM NO.1301#3

【前置き】 12階までしかないはずのマンションに、なぜか「13階」がある。でも、その場所は誰にでも見えるわけじゃないし、誰でも入れるわけじゃない。どうやら、世間で「変」とされている少年少女ばかりが「13階」に引き寄せられているようだ。……『ROOM NO.…

Composition 76 家庭教師曲線

渡部由輝『数学はやさしい』p72、75~76 家庭教師曲線というやっかいなものがあるのだ。 個人的に教わってから三カ月くらいまでの間は、たしかに効果がある。人によっては六カ月くらいはその効果は続くが、よほどマズイ教え方でもされないかぎり、成績はグン…

Composition 75 ROOM.NO.1301#9

新井輝『ROOM.NO.1301#9』p143-144 「実際、正しいことを言ってたかもしれません。でも、それが悪かったんですよね」 健一は再び、冴子の言葉を思い出す。健一のしたことは非常識だったかもしれないけど、それが綾や蛍子を幸せにした。そう彼女は教えてくれ…

Composition 74 漢検の問題集の「はじめに」にはこんなことが書いてあります

『漢検1級 分野別精選演習』p4より (前略)図式的ではあるが、今日の国語、言葉の世界においては、一方には、国民全体の共有財産としての国語という考え方に立ち、日常の文字生活の簡便化、能率化を図るという方向がある*1。例えば常用漢字表などの施策を…

Composition 73 定理を一般化するということ

気分転換として、放送大学のテキストを訳してみましょう。 隈部正博『初歩からの数学』p189 この[余弦定理の]証明を見ると、2bc*cosA の幾何学的な解釈が得られる。(10.10) より、2bc*cosA は長方形ALMFと長方形ANPGとの和である。∠Aが直角の場合は、AFとC…

Composition 71「超」文章法

野口悠紀雄『「超」文章法』p90 よく、「一文一意主義がよい」と言われる。賛成だ。私は、もう少し進めて、「一パラグラフ一意主義」を採るのがよいと思っている。つまり、一つのパラグラフに異質な内容を盛り込まないほうがよい。 とりわけ、パラグラフ内で…

Composition 70 古今和歌集

相変わらず音節数が「3・4・3・4・4」になるように訳しております。この原則から外れている箇所があったら「冠詞か前置詞を弱く読むから音節に数えてないんだな」と無理やり解釈してください。 また、私はいまのところ「説明的な訳」しかできません。「詩的…

Composition 69 インゲニウム

木村敏『心の病理を考える』p18 精神医学でこころの動きの正常・異常を判断する指標になっている「常識」は、実は普通に考えられているような「一般的知識」のことではなく、実生活のなかで周囲の人や事物とつきあってゆく際に、状況の変化に円滑に対応する…

Composition 68 あゝ玉杯に花うけて

佐藤紅緑『あゝ玉杯に花うけて』p11 豆腐屋のチビ公はいまたんぼのあぜを伝ってつぎの町へ急ぎつつある。さわやかな春の朝日が森をはなれて黄金の光の雨を緑の麦畑に、黄色な、菜畑に*1*2げんげさく*3くれないの田に降らす、あぜの草は夜露から目覚めて軽や…

Composition 67 チーズの悦楽十二カ月

本間るみ子『チーズの悦楽十二カ月』p5 さて、チーズとワインの組み合わせについては、こうして体験的に教えられていくうちに、いくつかの原則が見えてきました。 最大の原則はその人の好みです。こと食べ物については、好みが最優先でいっこうにかまわない…

Composition 65 自分に都合よく考えるということ

苫米地英人『「イヤな気持ち」を消す技術』p193-194 体験したことをどのような記憶として持つかという問題は、すでに述べたように、その人がそれをどう統合するかにかかっています。 自分に都合のいいように*1統合する人は、悪い出来事が起こっても明るく人…

Composition 64 パラグラフで書く

放送大学の島内先生の話は何度かしましたが、滝浦先生にもかなりお世話になっています。といっても会ったことはないんだけどね、画面の向こうにいるんだから。今回は滝浦先生のテキストを取り上げてみましょう。滝浦真人ほか編『日本語アカデミックライティ…

Composition 63 青春流浪

佐伯千秋『青春流浪』p64-65 やがて私は、冷静になろう――冷静にならなければ――冷静になろう――その言葉で、くりかえし自分の胸を打っていた。わたしは、もう子供ではなかった。子供ではないわたしは、わたしがいまここでたちなおることは、ともかく冷静になる…

Composition 62 ROOM.NO.1301 #3

翻訳は1日やらないだけで下手になります。精神論ではなく、現在の偽らざる実感です。本当は毎日するべきなのでしょうが、なかなか時間管理が難しいですね。 私にオリジナル小説はまだ早くて、基礎練習を1日も欠かさず続けるべき段階なのでしょうか、はてさて…

Composition 61 白の烙印

綾守竜樹『白の烙印Ⅰ』p19-20 「よし」 緩みそうになる頬を引きしめて、アリスは純白の肌着に首を通した。 少しだけ日焼けした肌は、水を弾かんばかりに張りつめている。首から腰にかけての曲線は、小柄な体格からは想像もつかないほど起伏に富んでいた。ち…